人生は無限に感じる。でも、マスにすると一目で終わりが見える
「時間はまだたっぷりある」。私たちは普段、そう思って生きています。来年も、10年後も、当たり前に来る気がする。ところが人生を月のマス目に並べてみると、その感覚は一瞬で崩れます。90年の人生は、たった1,080個の小さな正方形。画面をスクロールするまでもなく、始まりと終わりが同じ視界に収まってしまうのです。
しかも、すでに塗りつぶされた青いマスは二度と白に戻りません。30歳なら360マス、40歳なら480マスがもう埋まっています。この「有限さが一目でわかる」感覚こそ、Life in Weeksが世界中で人々の心を揺さぶった理由です。怖がらせるためではありません。残りのマスがはっきり見えるからこそ、今日というマスの使い方が変わるのです。
マスの中身を分解すると、自由な時間は意外と少ない
1,080マスのすべてが自由に使えるわけではありません。各年代でマスがどう使われるか、ざっくり分解してみましょう。
| 使い道 | 1日あたりの目安 | 90年に換算すると |
|---|---|---|
| 睡眠 | 約7〜8時間 | 約30年分(約360マス) |
| 仕事(約45年間) | 約8時間 | 約10年分(約120マス) |
| 通勤・家事・雑務 | 約3時間 | 約11年分(約135マス) |
| 食事・入浴など生活時間 | 約3時間 | 約11年分(約135マス) |
こうして引いていくと、自分の意思で自由に設計できる時間は人生全体の3割前後しか残りません。子ども時代のマスは親と過ごし、20〜50代のマスの多くは仕事が占め、体が思うように動く「健康寿命」はさらに手前で区切られます。残りのマスのうち、本当に自由なのはその一部だけ——この事実を知っているかどうかで、来月の予定の立て方は確実に変わります。
残りのマスの使い方を決める、2つのシンプルなリスト
「残りを大切にしよう」という掛け声だけでは、何も変わりません。おすすめは、次の2つのリストを実際に書き出すことです。
- やめることリスト:新しい何かを足す前に、惰性のマスを空けます。目的のないSNSの巡回、断れずに続けている付き合い、見ていないサブスク。「これに残りのマスを1つでも使いたいか?」と自問して、Noなら手放す。マスは増やせない以上、空けることが唯一の「時間を増やす」方法です。
- 会いたい人リスト:人生の残り時間は「回数」で数えると急に具体的になります。年に2回しか会わない親なら、残り30年で会えるのはあと60回。年に1回の旧友なら、あと30回。会いたい人の名前と「あと何回会えるか」を書き出すと、「いつか会おう」が「来月会おう」に変わります。
グリッドの中で点滅している黄色いマスは、今まさに進行中の「今月」です。このマスだけは、まだ何色にでも塗れます。リストの一番上の項目を、今月のマスに入れてみてください。1,080分の1の小さな正方形が、振り返ったとき一番濃い色で光るマスになるかもしれません。
※ 本文中の平均寿命・健康寿命は厚生労働省の簡易生命表等に基づく目安です。時間配分の数値は一般的な生活時間調査をもとにした概算です。