表面利回り・実質利回りの計算式
不動産投資の利回りには大きく2つの指標があり、それぞれ次の式で計算します。
表面利回り(%)= 年間家賃収入(満室時)÷ 物件価格 × 100
実質利回り(%)=(年間家賃収入 ×(1 − 空室率)− 年間運営経費)÷(物件価格 + 購入時諸費用)× 100
たとえば物件価格2,000万円・月額家賃9万円なら、表面利回りは(9万円 × 12か月)÷ 2,000万円 = 5.4%です。ここに空室率10%と年間経費20万円、諸費用140万円を織り込むと、実質利回りは(108万円 × 0.9 − 20万円)÷ 2,140万円 ≒ 3.6%まで下がります。広告の利回りと実際の収益力にはこれだけの差が出るため、 物件比較は必ず実質利回りで行いましょう。
エリア・物件タイプ別の利回り相場の目安
表面利回りの大まかな相場観は次のとおりです(築年数や立地で大きく変動します)。
| 物件タイプ・エリア | 表面利回りの目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 都心 区分マンション(新築) | 3〜4% | 価格が高く利回りは低め。資産性重視 |
| 都心 区分マンション(中古) | 5〜7% | 賃貸需要が安定。空室リスクが低い |
| 郊外 区分マンション(中古) | 6〜8% | 駅距離・築年数で差が大きい |
| 地方 一棟アパート | 10%前後 | 高利回りだが空室・修繕リスクも大きい |
| 地方 築古戸建て | 10〜15% | 少額投資向き。再生コストに注意 |
実質利回りで見落としがちな経費
年間運営経費には、想像以上に多くの項目が含まれます。次のような費用を漏れなく見積もることが、実質利回りを正しく把握するポイントです。
- 固定資産税・都市計画税:毎年必ずかかる税金。区分でも年5〜15万円程度が目安
- 管理費・修繕積立金:区分マンションでは毎月の固定費。築年数とともに値上がりしやすい
- 管理委託料:賃貸管理会社への手数料で、家賃の5%前後が一般的
- 原状回復費:退去のたびに発生するクリーニング・補修費用
- 広告料(AD):入居者募集時に仲介会社へ支払う費用。家賃の1〜2か月分が相場のエリアも
このほか火災保険料や設備故障時の交換費用(給湯器・エアコンなど)も、長期的には無視できない支出です。
高利回り物件に潜むリスク
利回りは「価格に対する家賃の比率」なので、価格が安いほど高くなります。つまり相場より高利回りの物件は、 市場が何らかのリスクを織り込んで安く評価している物件だと考えるのが自然です。代表的なリスクは次の3つです。
- 立地:駅から遠い、人口減少エリア、周辺に賃貸物件が供給過剰など、入居付けが難しい立地
- 築年数:築古物件は大規模修繕・設備交換の費用が近く、想定外の支出で実質利回りが大きく低下
- 空室:高利回りでも空室が続けば収入はゼロ。満室想定の表面利回りは実態と乖離しやすい
本ツールでは空室率と経費を変えながら実質利回りをシミュレーションできます。空室率を15〜20%に上げても収支が 成り立つか、保守的な条件で確認したうえで投資判断を行ってください。なお、不動産投資には価格下落・金利上昇・ 災害などさまざまなリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。